国歌と国旗の知識
国歌と国旗は、国家の独立と尊厳とを表す象徴です。
世界中どの国でも自国の国歌と国旗を大切にすると共に、他国のそれらにも敬意を示すのが当然の礼儀とされています。
そのため、国内の祝祭日や公的行事はもちろん、外国の来賓歓迎や国際的な儀式・競技などには、必ずその国旗を掲揚し国歌を演奏し参加者は起立して敬意を表します。
平成11年衆参両院で大多数の賛成により「国旗・国歌法」が制定されました。
国歌 「君が代」
君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巖となりて 苔のむすまで
この歌は、「小さな石が長い間にたくさん集まって固まり大きな岩となり、さらに、その岩には苔がびっしりと生えるほどまでに、まさしく千年万年も大君の長寿と国歌の繁栄が続きますように」と、いう意味を込めたお祝いの歌です。
そのもとの歌は延喜(10世紀初期)、最初の勅撰「古今和歌集」巻7に「詠み人知らず」の賀歌として「我が君は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」と見えます。平安中期頃から「我が君は・・・」は「君が代は・・・」に変わって広まり親しまれてきました。明治初頭、外交儀礼の必要性から国歌を制定するに当たり維新政府は薩摩琵琶歌「蓬莱山」の中で歌われていた「君が代」を歌詞に選びました。最終的には宮内省雅楽部の林広守の作曲です。明治21年「大日本礼式」に収めた楽譜が外国に送られ、26年には祝祭日奉唱歌として文部省より告示されました。
以来、荘重な旋律と雅かな歌詞は人々から親しまれ、日本国と日本国民の統合的な象徴と仰がれ敬われる天皇の御代の弥栄と、国家の永続と国民の和合を祈念することになる日本に最もふさわしい国歌です。
日本国国歌 君が代
国旗「日の丸」について
わたしたち日本人の生活は、自然に対し畏敬の念と感謝の気持ちを抱きながら、自然と共に生きる 努力をしてきました。そして、人間のみならず、万物を育み生成する太陽(日)の光を敬愛する気持ちは、なお一層のものがあったと思われます。わたくしたちの国旗、「日の丸」は、この明るく輝き 昇る太陽をかたちどったものであります。
『続日本紀』という古い書物に、「日象」(日像)の文字がすでにみえ〔大宝元年(701年)〕、その後、歴代天皇、諸国大名によって太陽をかたちどった旗が盛んに用いられてきました。外国との接渉がさかんになる江戸末期頃から国旗としての性格が明瞭に意識され、安政元年(1854年)には「日の丸」が日本総船印として江戸幕府より各大名に布告されました。また万延元年(1860年)には、勝海舟を艦長とする咸臨丸により初めて「日の丸」が海を渡り、そのアメリカにおいても 「旭章旗」(日の丸)によって日本の遣米使節団を歓迎し、その時交わされた条約の批准書交換式後、記念に双方から「国旗」の交換がおこなわれました。
明治の御代になり日本は世界の仲間に入る新しい時代を迎え、明治3年(1870年)1月27日、「日の丸」の旗は日本の国旗として定められ、世界の国々からも認められるようになりました。日出ずる国−古くから日本の姿をこう呼んでいました。そのように朝日が輝き昇る朱赤(国民の熱誠と国家のエネルギー)の姿を白地(正義・平和・純潔・中正・不偏)の中央に表したも のが「日の丸」であります。また、日本人が古へより尊んできた「和」の精神、始まりも終りもない円満・平和をあらわし、大自然の摂理のように道理に円く融けあった生活を目標とした日本人の心の表象であるといえましょう。
わたくしたちの国旗「日の丸」はこのように長い間つちかわれてきた民族の思想と歴史からできあ がったのです。そして世界のどの国にも国旗があり、その国の思想や伝統的な文化、民族の使命等が托され表現されています。自分の国の国旗を大切にするとともに他の国々の国旗も心から尊重し、国 際理解と協調共存につとめましょう。
国民の祝日に関する法律
第一条
自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。
第二条
「国民の祝日」を次のように定める。
元日 |
1月1日 |
年のはじめを祝う |
成人の日 |
1月の第2月曜日 |
おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。 |
建国記念の日 |
2月11日 |
建国をしのび、国を愛する心を養う。 |
春分の日 |
春分日 |
自然をたたえ、生物をいつくしむ。 |
昭和の日 |
4月29日 |
激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。 |
憲法記念日 |
5月3日 |
日本国憲法 の施行を記念し、国の成長を期する。 |
みどりの日 |
5月4日 |
自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。 |
こどもの日 |
5月5日 |
こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。 |
海の日 |
7月の第3月曜日 |
海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。 |
敬老の日 |
9月の第3月曜日 |
多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。 |
秋分の日 |
秋分日 |
祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。 |
体育の日 |
10月の第2月曜日 |
スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう。 |
文化の日 |
11月3日 |
自由と平和を愛し、文化をすすめる。 |
勤労感謝の日 |
11月23日 |
勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。 |
天皇誕生日 |
12月23日 |
天皇の誕生日を祝う。 |
第三条
1 「国民の祝日」は、休日とする。
2 「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。
日の丸の揚げ方
1. 国旗は原則として屋内外共に旗竿(或いはポール等)に掲げます。
2. 日本では竿頭に金色の玉をつけ、固定した掲揚塔を除いては、竿を白(竿竹の地色)と黒に塗り分けます。
3. 国旗は、竿頭に密着しなければなりません。
4. 家庭や会社の門口に立てる時は、門内からみて、右側に立てるのが今日の一般的な立て方です。
(※但し、わが国では、左(向って右)を上位(左尊右卑、左大臣は事実上の最高位)を考えて来ましたので、古くは左側としました。日本古来の考え方は、中央を第一位、左をその次、右を第三と考え、神社では、すべて古来の方法に従っています。)
5. 掲揚時間は原則として日の出(又は始業の八時)から日没(終業)までとします。
その他注意すること
・ 一本のポールに二つの国旗を掲げないこと。(上の国旗が下の国旗を支配していることを意味します。)
・ 自国の国旗を掲げずに単独で外国の国旗を掲げてはいけません。
・ 弔意を表わす時は、竿球を黒布で包み、旗の横の長さと同じ長さで、幅三センチ位の黒布を竿球と国旗の間にとりつけて、祝日とは反対に、左側に立てます。
・ 国旗は地面につけないようにし、汚れたり破れた国旗は掲げません。(汚損した国旗は新しいものと取り替えて下さい。)
・ 国旗は常にきちんとたたみ、降納箱等を用意してしまっておきます。
・日本人のidentityは個人の意向にかかわらず「日の丸」です。スポーツの応援に「日の丸」を振るだけでなく、各種祭典は無論、祭日にはご家庭に於かれても是非「日の丸」を揚げて下さい。